同期
「同期」について、用語の意味などを解説

synchronization(英)
同期とは次のような意味を持つ。
(1)電子楽器の自動演奏システムにおいて、テンポ機能を持つシーケンサーやリズム・マシンがマスターとなる機器と同じにする事。シンクロ演奏、同期演奏と呼ぶ事もある。
(2)シンセサイザーで、ふたつのオシレーターの波形を同期させる事。単にsync(シンク)ともいう。
同期の定義と音響・テンポ構造における基本概念
音楽における同期とは、複数の音響事象や演奏のタイミング、あるいは電子機器の時間軸を完全に一致させるプロセスやその状態を指す。リズムや拍子という時間的枠組みを共有する音楽において、同期はアンサンブルを成立させるための根本的な要素である。音響物理の観点からは、複数の音の立ち上がりが時間軸上で正確に重なり合うことで、位相の干渉が整い、単一の楽器では得られない強力な音圧や明確なアーティキュレーションが生まれる。この時間的な一致の精度が、楽曲のダイナミクスやグルーヴの質を決定づける。
アンサンブルにおける時間的同期の歴史と演奏論
西洋古典音楽の歴史において、同期は人間の身体感覚と相互の密接なコミュニケーションによって磨かれてきた。室内楽における奏者同士の呼吸を合わせる行為は、最も原始的かつ高度な同調の形態である。19世紀以降、管弦楽の規模が拡大するにつれ、多数の奏者による時間軸のズレを制御するために指揮者という専門の役割が定着した。指揮者は視覚的なジェスチャーによってテンポやニュアンスを提示し、巨大な音響集団を機能的に同期させる役割を担う。また、管楽器や弦楽器など、楽器ごとに異なる音の立ち上がりの速度を計算に入れ、ホールの残響を考慮しながら発音のタイミングを微調整するアプローチも、伝統的なアンサンブルを構築する上で重要である。
現代の音楽制作とライブパフォーマンスにおける電子的な同期システム
現代のポピュラー音楽やエレクトロニック・ミュージックの領域において、同期はデジタル技術を用いたシステム構築を意味する。1980年代のMIDI規格の登場以降、シーケンサーやドラムマシン、シンセサイザーなどの電子楽器同士を同一のテンポで連動させるMIDIクロックや、映像と音声を正確に一致させるタイムコードの技術が発展した。現代のライブステージでは、あらかじめ録音されたバッキングトラックを再生しながら、生のドラマーがヘッドホンから流れるクリック音を聴いて演奏を合わせる同期演奏のスタイルが広く実践されている。このように、機械の厳密な時間軸と人間の有機的なリズム感を高い次元で融合させ、音響的なズレを排除するプロセスは、モダンなサウンドデザインを成立させるための重要な基盤となっている。
シンク機能(synchronizing function)(DTM用語)
「同期とは」音楽用語としての「同期」の意味などを解説
Published:2026/04/25 updated:
