トーキング・モジュレーター
「トーキング・モジュレーター」について、用語の意味などを解説

talking modulator(英)
トーキング・モジュレーターとは、エレクトリック・ギター用のエフェクターのひとつ。口の振動を利用したもので、しゃべる様にして効果を得る事からこの様に呼ばれる。ギター・アンプのスピーカーから出た音をパイプに導き、パイプの反対側の端を口にくわえ、しゃべる様に口を動かすとサウンドが変調される。それをボーカル用のマイクで再び拾い上げ、PAなどで音を出すという仕組みになっている。
このトーキング・モジュレーターは、ギターの音を直接加工するのではなく、演奏者の口腔内を共鳴体として利用する点に大きな特徴がある。つまり、奏者が口の形を変えることで音のフォルマント(母音的な共鳴成分)が変化し、まるでギターが「しゃべっている」ような独特の効果が得られるのである。そのため、通常のエフェクターのように電気的にフィルタリングするのではなく、演奏者の身体そのものが音作りの一部となる極めてアナログ的な仕組みといえる。
1970年代にピーター・フランプトンやジョー・ウォルシュといったロックギタリストが使用したことで一躍有名となり、その後もファンクやハードロックなど、多様なジャンルで印象的なサウンドを生み出してきた。ギター以外にもキーボードやベースに応用されることがあり、人間の声と楽器音が融合したような効果は、電子的なボコーダーやトークボックスとは異なる生々しい存在感を持つ。
演奏者の操作技術が音の表情を大きく左右するため、単なるエフェクトというよりも一種の「演奏表現法」として扱われることが多い。
「トーキング・モジュレーターとは」音楽用語としての「トーキング・モジュレーター」の意味などを解説
Published:2024/04/25 updated:
