ハーフ・ディミニッシュ・セブンス・コード
「ハーフ・ディミニッシュ・セブンス・コード」について、用語の意味などを解説

half diminished 7th chord(英)
ハーフ・ディミニッシュ・セブンス・コードとはルート(根音)、短3度、減5度のディミニッシュ・トライアド(減三和音)に短7度を加えた構成の和音。マイナー7th(♭5)コードの別名。
ハーフ・ディミニッシュ・セブンス・コードの定義とコード構造
ハーフ・ディミニッシュ・セブンス・コード(Half-diminished seventh chord)は、4つの音で構成される4和音(セブンスコード)の一種である。コードシンボルでは「m7(♭5)」や「ø」と表記される。その構造は、根音(ルート)から順に「短3度(マイナー・サード)」「減5度(ディミニッシュ・フィフス)」「短7度(マイナー・セブンス)」を積み重ねたものである。例えば、Cを根音とするCm7(♭5)の場合、構成音はC・E♭・G♭・B♭となる。完全に減音程だけで構成される「ディミニッシュ・セブンス・コード(〇)」と比較して、7度の音が半音高いため「半分だけ減音された(ハーフ・ディミニッシュ)」という名称を持つ。
和声学・ジャズ理論における機能と「ツー・ファイブ」への応用
このコードは、音楽理論において極めて重要かつ実用的な役割を担っている。特に短調(マイナーキー)のダイアトニックコードにおける「Ⅱ度(Ⅱm7(♭5))」として頻繁に登場する。ジャズやポピュラー音楽における定番のコード進行である「ツー・ファイブ・ワン(Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ)」において、マイナーキーのツー・ファイブを構成する際の中核となる。
- マイナー・ツー・ファイブの進行例: 「Ⅱm7(♭5) ➔ Ⅴ7(alt) ➔ Ⅰm7」
このコードに含まれる「根音と減5度」の不安定な響き(トライトーン)が、次のドミナントコード(Ⅴ7)へと向かう強い推進力(ドミナント・モーション)を生み出し、楽曲にドラマチックな陰りと緊張感をもたらす。
現代音楽やポップスにおける独自の色彩感とボイシング
現代のポップスやR&B、シティポップなどにおいて、ハーフ・ディミニッシュ・セブンス・コードはその独特の浮遊感や切ないニュアンスを演出するために多用される。単にマイナーキーのⅡ度として使うだけでなく、メジャーキーの平行調から借用する「モーダルインターチェンジ(同主調からの借用和音)」として挿入されることも多い。DTM(デスクトップミュージック)や実際の鍵盤演奏においては、構成音の配置(ボイシング)を工夫し、トップノート(最高音)にテンションノートである「11th」などを配置することで、濁りを抑えた極めて洗練された都会的なサウンドデザインを構築することが可能である。
「ハーフ・ディミニッシュ・セブンス・コードとは」音楽用語としての「ハーフ・ディミニッシュ・セブンス・コード」の意味などを解説
Published:2026/04/25 updated:
