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音楽用語集 音楽用語辞典

頭声

Posted by Arsène

「頭声」について、用語の意味などを解説

頭声

head voice(英)

頭声とは、人間の声の3つの声区のうち、一番高い部分の声の事。頭部の共鳴腔、すなわち副鼻腔や頭蓋内部での響きを主体とするためこの名があり、物理的には声帯の振動に加え、上方向への共鳴を強調することで軽やかで透き通った音色が得られるのが特徴である。

頭声とは、人間の声の三つの声区(胸声・中声・頭声)のうち、最も高い領域に属する声のことであり、クラシック声楽の発声理論において特に重要な概念とされている。

特にソプラノやテノールといった高声部の歌手にとっては、頭声の確立が音域の拡張と音質の均一化に直結する。胸声から頭声へと移行する際に起こる声区の断絶(いわゆるブレイク)をいかになめらかに統合するかが、発声技術の大きな課題であり、この領域の訓練は「ヴォーチェ・ミスタ(混声)」の感覚とも密接に関わる。

頭声は単なる高音発声というよりも、声の共鳴構造を制御する技術的成果として扱われ、バロックやロマン派の作品においては、その響きが音楽表現の深みを決定づける要素にもなっている。

たとえば、ベルカント唱法では、頭声によって生み出される柔らかな線の美しさやホール全体に広がる自然な響きが理想とされており、単に声を「上に出す」感覚ではなく、身体全体を共鳴体として用いる感覚が求められる。

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「頭声とは」音楽用語としての「頭声」の意味などを解説

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