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PCM音源

Posted by Arsène

「PCM音源」について、用語の意味などを解説

PCM音源

PCM sound generator(英)

PCM音源とは、本物の楽器音を収録し、PCM化(アナログである音の信号をデジタル信号に変換する方法)して楽器内のメモリーに入れておき、演奏する際に読み出す方式の音源。サンプリング音源の代表である。

PCM音源の定義とデジタル録音の仕組み

PCM(パルス符号変調:Pulse Code Modulation)音源とは、アナログの音響信号をデジタルデータに変換して記録・再生する方式、およびそれを搭載した音源システムである。自然界の空気の振動(アナログ波形)を一定の時間間隔で区切って電圧を測定する「サンプリング(標本化)」と、その値をデジタルの数値に置き換える「量子化」というプロセスを経て符号化する。このサンプリング周波数(1秒間の細かさ)と量子化ビット数(音量の細かさ)の精度が高いほど元の音に忠実になり、現代のデジタルオーディオの最も基本的な基盤となっている。

シンセサイザーの歴史的転換とPCM方式の普及

1980年代後半、PCM音源はシンセサイザーや電子楽器の世界に劇的な革命をもたらした。それまでのアナログシンセサイザーやFM音源が電気回路や数式によってゼロから音の波形を作り出していたのに対し、PCM音源は本物のアコースティック楽器(ピアノ、ストリングス、生ドラムなど)の音をあらかじめスタジオでサンプリング(録音)し、その波形データを内蔵メモリに記憶させておき、鍵盤の演奏に応じて再生する。コルグ(KORG)の「M1」やローランド(Roland)の「D-50」に代表される歴史的名器の登場により、極めてリアルで高品位な楽器音を1台で網羅できるようになり、当時の音楽制作(打ち込み)の風景を瞬く間に塗り替えた。

現代のデジタル音楽制作(DTM)における重要性と発展

現代のポピュラー音楽やDTM(デスクトップミュージック)の領域において、PCM音源の技術はメモリの大容量化とPCの高速化に伴い、サンプラーやソフトウェア音源(プラグイン)の核として劇的な進化を遂げている。現在では、単に1つの音を鳴らすだけでなく、鍵盤を押す強さ(ベロシティ)や奏法の違い(アーティキュレーション)に応じて数千~数万枚のPCMサンプルをリアルタイムに編み直す、数百ギガバイト級の超リアルな専用音源が主流である。また、CD規格(44.1kHz/16bit)からハイレゾ音源(192kHz/24bitなど)にいたるまで、最高峰の音質を追求する現代の音楽シーン全体の圧倒的な土台を支え続けている。

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